ホムワト・ワトホムなBLを感じられる映像・小説・ゲーム作品総まとめ【シャーロック・ホームズ】

 

シャーロック・ホームズとは十九世紀のイギリスで誕生したもっとも世界で有名な探偵で、アーサー・C・ドイルによる彼の活躍を描き出した物語は今でも多くの人々に愛されている…。

というのは、このサイトにたどり着いた方ならご存じのことかもしれませんね。

 

シャーロック・ホームズは頭脳の回転が速く推理の天才、正義感が人一倍あり、音楽をこよなく愛しますが、その少し偏屈な性格のために常に孤高であります。

一方彼の友人兼伝記作家のジョン・H・ワトスンは忍耐強く勇敢で、人に対する気遣いを忘れません。友人が危機に陥った時にはすぐに助けに来てくれるという真なる友情の持ち主でもあります。

ホームズとワトスンがお互いに強い友情を抱いていることはホームズシリーズのどの作品からも読み取ることができます。

 

しかし、そう、しかし!!!

腐女子歴10年余りの私氏、これをホームズ×ワトスン(ワトスン×ホームズ)と邪推してしまうシーンが多すぎて辛い……っ!

 

ホームズめ、どうしてワトスンが結婚するとなったらそんなに拗ねる!?

どうしてただの友人が10年近く一緒に同居するのか!?

「君以外に友人はいないよ」ってそれワトスンにだけ心を開いてるってことか!?

ホームズに冷たくされまくるのにどうしてワトスンは友達をやめないのか!?

そもそもワトスンって文章の端々からホームズ好き好きオーラが出すぎじゃないか!?

 

こういうのは挙げればきりがないほど言いたいことがあります……。

(実を言うと私はホームズとワトスンは友情派なのですが、それでも!)

 

そして原作のホームズシリーズを読み終わった今、私はシャーロック・ホームズにすっかりハマりきってしまい、数多い関連作品を漁るようになりました。

今回の記事ではその作品の中でもホムワト(ワトホム)なBLを感じられる作品をまとめてみました。

ホムワトファンな腐女子のみなさんがこれによって少しでも飢えをしのげるように願っています。

 

 

 

BL度 ★★★(濃厚)

 

ガチでホームズとワトスンが恋愛する作品について紹介します。

 

わが愛しのホームズ

 

ローズ・ピアシー著のホームズパスティーシュです。

時代の風潮からの理由で当時では明かされなかった二人の本当の関係にまつわる文書が100年後に公開された、という設定です。

実はワトスンはゲイで同居人のホームズに報われない恋心を抱いていた、というストーリーでかなり思い切っています。しかしその微妙な均衡を保っていた二人の関係に、ある事件がきっかけで変化が訪れてしまうんですね。

BLといえどクオリティが低いわけではなく、登場人物の性格も原作に忠実です。(でもワトスンの性格が少し女々しいというのはAmazonのレビューを見てもみんな思っているようだ)

 

終始プラトニックな感じで進み、性的なシーンはありません。

レズビアンが登場したりとか、ホームズの推理シーンが少ないとか、ワトスンとホームズがもだもだギスギスしすぎ!とか、ご都合主義乙とか、マイクロフトが不憫だとか、人によっては地雷なところがあるかもしれませんが、全体的には良い作品です。一度読む価値はある作品でしょう。

 

Sherlock Holmes's Mood Swings - YouTube

 

www.youtube.com

 

知る人ぞ知るヤバいやつ。2分程度の短い動画ですが、その分パワーがあります。

何も知らない姉(ホムワト友情派)に見せたところ相当なダメージを負っていました。

私の方はある程度内容を前もって知っていたものの、初めて見た時には思わず「これは本当にマジなやつだ」と爆笑しました。

一度見たら忘れられないこと間違いなし!そして閲覧注意!

英語の動画ですが、「ホームズが手紙を手がかりにして事件を解決したらしい」ということだけ分かっていたらあとは雰囲気でいけます。もっと詳しい訳が知りたければググってみれば翻訳が色々出てきます。

 

Pixivなどの二次創作サイト

 

作品紹介というよりもサイトになりますが。

「Pixiv」といえばイラスト・小説投稿サイトとして有名で、数多くのファンアートや二次小説等が投稿されています。

このサイトで「シャーロック・ホームズ」「ホムワト」「ワトホム」「正典」「原作」などの単語で検索してみると出るわ出るわ二次創作。18禁な作品から友情物まで揃っているのでかなり楽しめます。みなさんいつもありがとうございます。

私は二か月ちょっとの間このサイトを空き時間にひたすら読み続けたので、大体の作品は網羅しました。今でも定期的に巡回しています。

また海外にはArchive of Our Own(AO3)というファン作品投稿サイトがあって、そこにもホムワト作品がたくさんあります。ほとんどが英語の作品なのですが、当然世界中の人が投稿しているサイトなのでその数も尋常じゃありません。

 

PixivやAO3以外にもシャーロック・ホームズ二次創作を掲載しているサイトは多いです。

例えばTwitterで妄想を呟いている人もいるでしょうし、自分でブログを開設してイラストや小説を書いている人もいるでしょう。ここまでくるとそれこそ星の数なので、頑張って発信者を見つけましょう。

 

BL度 ★★ (ブロマンス)

 

やっぱりホームズとワトスンは友情だ、という方はこちらから。

BL派の人ももちろん二人の濃い友情からラブ的なものを連想できることでしょう。

 

原作

 

忘れちゃいけない原作シャーロック・ホームズ。ファンの間では「正典」もしくは「聖典」(canon)とも呼ばれます。

原作でホムワトといえば『瀕死の探偵』や『三人ガリデブ』、『悪魔の足』あたりがメジャーですかね。私は『まだらの紐』も外してはいけないと思います。

それから外伝と呼ばれる、単行本には載っていない作品もあります。その外伝の中でも『ワトスンの推理法修行』は中々萌えます。ネットで検索したら有志の方が翻訳してくださったものが出てきますので、知らなかった方はぜひ読んでみてください。

 

BBCラジオドラマ

 

ラジオドラマにも色々ありますが、特におすすめなのがBBCのクライブ・メリソン(Clive Merrison)がホームズ役をするラジオドラマです。

 

このドラマは原作をベースにしているので、設定としてはBLではありません。でもBLとしか思えません。ネットで検索してみても似たような意見が多いのでこれはもうBLで良いでしょう(強引)

 

『四つの署名』でワトスンが結婚するシーンとか、『ボヘミアの醜聞』の冒頭で久しぶりに再会するシーンとかとかとかとか。もう何度聞いても「うわー!」ってなります。

結婚という安定を求めてホームズから離れてしまうワトスンが、それでも冒険心を忘れられなくてホームズのところを訪れる。

それを孤独に待ちわびるホームズといったらもう……。このホームズは片思いしてますね、確実に。麻薬にまた手を出してワトスンに心配されても、「君にはもう関係ないだろ?」とばかりに冷笑するシーンは聞いているだけでも辛いです。元カノか?

 

ただしイギリスのラジオドラマなので全て英語です。英語が苦手な方には聞き取るのが難しいかもしれません。一応、原作の英語を一通りサラッと読めたら雰囲気で分かると思います。

私はもともと原文で読むシャーロック・ホームズ等のサイトを使って原文ならではの表現を楽しんでいたので、このドラマもなんとなーく理解することができました。

ストーリーさえ分かっていたらいけるので、ぜひ聞いてみてほしいラジオドラマです。

 

SHERLOCKBBCドラマ)

 

もしもシャーロック・ホームズが21世紀に生きていたら。そんなIFを映像化した、スマホを操り最新技術を駆使し、馬車ではなくタクシーに乗るホームズのドラマです。

かなり大ヒットしたドラマなのでご存じの方は多いでしょうし、ここからシャーロック・ホームズにハマったという人もいることでしょう。

これはブロマンスです。決してBLではありません。友情です。

エピソード3の2話を視聴した時には、「うわこれ明らかにプロポーズだろ!」と画面の前で悶絶したものですが、友情です。

 

シャーロック・ホームズ (ハリウッド映画)

 

ガイ・リッチー監督の武闘派な新しいシャーロック・ホームズを描いた作品。

シャーロック・ホームズ」「シャーロック・ホームズ シャドウゲーム」の二作が現在公開済みで、2020年には三作目が出るとの噂が立っています。

 

これが中々ホムワト感が強い……。

一作目ではアイリーン・アドラーとホームズの恋愛的なシーンが描かれたりするのですが、ワトスンとの固い友情も丁寧に描かれているのでグッときます。さらに二作目になるとワトスンの結婚話が出るため、その過程で二人の関係がより深く描かれていくことになるのです。

 

 シャーロック・ホームズの冒険 (映画)

 

巨匠ビリー・ワイルダー監督による2時間弱の映画。少し古い映画ですが、映像効果がなくてもその面白いストーリーに思わず引き込まれてしまいます。

見たことがない人にはぜひ見て欲しい!

なぜならこの作品の始めから20分後頃にとんでもないホムワト爆弾があるから!

私は思わず笑い転げてしまいました。そういうやり方で攻めてくるかと!

 

その部分以外はホムワトとは言えないのですが、話自体が面白いので全体を通して楽しめます。ホームズの感情、とくに愛について深く追求している映画です。

ただしホームズのNL要素がありますので、「ホームズは女性に靡かない!」という信念を持つ方は注意してください。

 

シャーロック・ホームズとワトスン博士 (ソ連フィルム)

 

ソ連時代に制作されたシャーロック・ホームズのドラマ。原作がベースになっていますが、適度に改変が加えられていて新鮮味があります。

そして特に第一話の『緋色の研究』にはけっこうホムワトなシーンがあったりします。ワトスンがちょっと怪我をしてしまうのですが、それを気遣うホームズが萌え。ロシアってあんなに身体の距離が近いんですか? おかしくないですか??

 

このホームズはコカインをやらないし、ワトスンをこき下ろさないし、駄々をこねないし、皮肉もあんまり言わないしでちょっと“らしく”ないかもしれません。しかし充分面白い内容の作品です。

 

シャーロック (現代日本版)

 

月曜9時に放送されたドラマ。具体的に言えばこれはホームズとワトスンではなく、“獅子堂誉”と“若宮純一”の物語です。現代日本が舞台なので。

 

これがね、若宮くん(ワトスン)が健気なんですよ…。

獅子堂の持つ危険な雰囲気に惹かれる一方で、彼が進んで危ない場所に突き進んでいくのを心から心配しています。

獅子堂に頼られたい、友情を築きたい、と若宮は望んでいるのに、獅子堂は全然自分のペースを崩しません。そこが獅子堂の魅力ではあるけれど、若宮はやっぱり内心この野郎って思ってしまいますよね。

健気なワトスンが見たい人にオススメです。

 

BL度 ★  (波動を感じよ……)

 

頑張ってホムワトだと思い込みましょう。ホムワト作品を大体網羅してしまった方や、純粋にシャーロック・ホームズという作品が好きな方におすすめです。

 

Frogwares制作のゲーム

 

Frogwaresという会社がかなり長いことシャーロック・ホームズを主人公にしたパソコンゲームを発売しています。

最近の作品は日本語対応していますが、残念ながら古いソフトは日本語に非対応です。フツーに商業作品なのでフツーに面白いです。

 

Frogwareの発売するホームズもののゲームはあくまで謎解きや事件がメインで、あまりワトスンとホームズの関係に注目しているわけではありません。

しかしやたらとワトスンをこき使ったりけなしたりするホームズや、それにイラっとしながらもなんだかんだホームズを心配しちゃうワトスンに萌えてしまいます。

「アリバイからするとこの死亡推定時刻はありえない。それに医者の診断は信用できないものだからな」「言ったな、ホームズ!」

というセリフが途中にあるのですが、これがこのゲームにおける二人の関係を表しているかもしれません。仲良しかよ!

 

さらに「SherlockHolmes vs. JacktheRipper」というゲームではホームズがワトスンを押し倒して見つめ合うシーンがあるんですよ!

だからこのゲームはBL感があr……ごめんなさい、やっぱりあんまりBLじゃありません。

 

とにかく、製作陣の原作愛が伝わってくるゲームシリーズです。

 

Creepy Watson - YouTube

 

www.youtube.com

 

「Creepy Watson(這うワトスン)」です。「Creepy man(這う男)」ではありません。這い寄るワトスン君です。

これはさっき紹介したFrogwaresのゲームの動画です。(たぶん『Sherlock Holmes : Nemesis』ですね)

ごめんなさい。これだけはホムワトの欠片もありません。こないだ見て面白かったので思わず紹介したくなってしまいました。

これ絶対ホームズは「?!」ってなってますね。普通に見てるだけじゃつまらないかもしれないけれど、ホームズの心境を想像するとめっちゃ笑えてきます。

 

なお「CREEPY WATSON THE RETURN」という動画もあります。これはなんとFrogwares自ら製作した動画。何やってるんですか、製作陣さん。

https://www.youtube.com/watch?v=13YlEPwOfmk

 

アスタービルト家の限界(The Bound of Astorbilts)

 

この話を知っている方はどうして私がここでこれを紹介したのか?と不思議に思うかもしれません。

このパスティーシュは『シャーロック・ホームズの失われた災難』という単行本に収録された短編です。

この話で良いと感じるのは、とにかく冒頭です。

その後に続くホームズの若干むちゃくちゃな推理も面白いのですが、ここの冒頭が特に、何でも分かってしまうホームズに対するワトスンのやるせなさや拗ねた感じがたったの一言で表現されていて素敵だと思うのです。

 

ワトスン博士の結婚祝い(Dr.Watson's Wedding Present)

 

同じく『シャーロック・ホームズの失われた災難』に収録された短編。

ワトスンが結婚した時にホームズは一体何を贈ったのか?、という観点から作られたお話です。この設定からして萌えですね。

プレセントもホームズの捻くれた性格を表していて微笑ましくなってしまいます。

 

ワトスン博士の友人

 

シャーロック・ホームズの栄冠』に収録された短編です。

この作品はワトスンが語り部ではなく、事件の依頼者の目線になっています。なので、二人の関係を客観的に見られるという点で特に良いお話です。

ホームズとワトスンはどうして田舎道を散歩していたのかなあ、とか色々考えてしまいます。

 

最後に 

 

これにてホムワトまとめは終わりです。なんだかBLまとめというよりホームズ関連作品まとめになってしまったような……。

しかしまとめてみて思ったのが、大体のシャーロック・ホームズ関連作品は頑張ったらホムワトに見えてくるっていう事ですね。

世界にはたくさん供給があります。なんだったら自分で作ってみてもいいでしょう。

 

ちなみに私はどっちかというとワトホム派です。受けは見た目も性格も可愛くないのがちょうどいい。ワトスンが自分を心配しているのを「ハハッ、ワロス」とか思っていて欲しい。

 

もしこれもホムワトですよ、という作品があればぜひ教えてくださいね!

最後までお読みいただきありがとうございました。